神奈川県の交通安全協会、存続の危機―免許更新のデジタル化で会員勧誘の機会が減少か

 

 

 

 

 

神奈川県内54警察署の管轄区域ごとに設置され、地域の交通安全活動を支える「地区交通安全協会（安協）」が、存続の危機に直面しています。これまで、安協は運転免許証の更新時に署で対面勧誘を行い、その会費を活動資金としてきましたが、デジタル化の進展により、この勧誘機会が減少する恐れが出てきたのです。

デジタル化が安協の財源を揺るがす
問題の背景にあるのは、神奈川県議会で7月に可決された「運転免許の更新手続き等に関するデジタル化の推進」補正予算案です。来年3月から各警察署、そして同年8月から横浜市旭区の運転免許センターで、免許更新手数料のキャッシュレス決済が導入される見通しです。

これにより、従来の収入証紙販売業務が減少し、ドライバーに対する対面での勧誘が難しくなると予想されます。津久井交通安全協会の平栗文夫会長は、「対面勧誘ができなくなると、会費の確保が難しくなり、従来通りの活動ができなくなるかもしれない」と危機感を募らせています。

安協の主な収入源―会費が活動の鍵
安協の活動を支える主な財源は、1人あたり1500円の会費です。運転免許更新時に直接ドライバーに対して活動の意義を説明し、会員を募ることが安協の基本的な運営方法でした。しかし、デジタル化によりこの重要な接点が減少すれば、安協の存続そのものに大きな影響を与える可能性があります。

交通安全活動の今後はどうなる？
神奈川県の交通安全協会は、地域の交通安全を守るためにさまざまな活動を行ってきました。ドライバー教育や安全啓発活動はもちろんのこと、地域住民との協力による交通事故の防止も重要な役割を果たしています。しかし、会費が集まらなければ、こうした活動の縮小や中止も避けられないかもしれません。

今後、デジタル化の推進とともに、安協の存続をどう支援していくかが課題となりそうです。地域の交通安全を守るために、さらなる対策が求められるでしょう。

あなたの地域の交通安全活動を支えるために
デジタル化が進む中でも、地域の交通安全活動を支えるのは、私たち一人ひとりの関心と支援です。もしあなたが運転免許更新時に協会からの勧誘を受けた際は、その活動意義を理解し、地域の安全に貢献する手助けをしてみてはいかがでしょうか。