堀井雄二氏が「ドラクエ3」リメイク版の性別選択廃止に苦言、ゲーム業界の規制対応にも言及

 

 

 

 

スクウェア・エニックスが11月に発売するリメイク版「ドラゴンクエスト3 そして伝説へ…」で、従来あった男女の性別選択が廃止され、「ルックスA」「ルックスB」という新しい選択肢に変更されることが発表されました。これについて、ドラクエシリーズの生みの親である堀井雄二氏が苦言を呈しました。

「なぜ性別を廃止するのか理解できない」――堀井氏の本音
9月28日に東京ゲームショウの会場から配信された動画で、元週刊少年ジャンプ編集長の鳥嶋和彦氏との対談中、堀井氏はこの変更について率直な意見を述べました。彼は、「男女にしていったい誰が文句を言うのか分からない」と、性別選択を廃止する理由に対する疑問を投げかけました。

1988年にファミリーコンピュータ向けに発売された「ドラゴンクエスト3」では、主人公や仲間の性別や職業を自由に選べるシステムが導入され、それがプレイヤーにとっての大きな魅力の一つでした。しかし、リメイク版では男女という明確な区別がなくなり、「ルックスA」「ルックスB」という形でキャラクターの外見のみが選択できる仕様に変更されています。

性的表現の規制とCEROレーティングの影響
堀井氏は、リメイク版での規制対応にも触れ、特に露出度の高いキャラクターの衣装に関する変更について説明しました。以前から、キャラクターの衣装が「肌色に近い下着が追加された」といった変更が話題になっていましたが、堀井氏は「あんまり露出すると、（対象）年齢が上がってしまう」と、CEROレーティングに基づく規制の影響を明らかにしました。

日本国内のゲーム会社では、業界団体が性や暴力表現を審査する「CEROレーティング」を採用しており、このシステムに基づいてゲームの対象年齢が区分されています。リメイク版の「ドラゴンクエスト3」は、12歳以上を対象とする「B」レーティングに該当しています。ファミコン版では多くの小学生が楽しんだことを考えると、リメイク版では規制がより厳しくなっていることがうかがえます。

今後のゲームデザインと規制のバランス
今回のリメイク版での変更は、性的表現やジェンダーに関する規制が強化されている現代のゲーム業界において、クリエイターが直面する新たな課題を示しています。堀井氏のようなゲームデザイナーにとって、作品の本来の魅力を保ちながら、時代の変化に適応することは重要な課題であり続けています。