漫画の単行本表紙原稿料問題：業界の慣例と作家の選択

 

 

 

 

漫画家の森川ジョージ氏が、自身のX（旧ツイッター）で漫画業界における単行本表紙の原稿料に関する問題についてコメントしました。発端となったのは、漫画家さちみりほ氏の投稿で、同氏は「ローゼリア王国物語」シリーズなどで知られる作家です。

さちみりほ氏は、自身のXで単行本表紙の原稿料について、「基本的に表紙の原稿料は無料で、有名無名、大手中小問わず支払われないのが常態化している」と不満を述べています。さらに、「良心的な出版社があったとしても、他の条件（印税など）が厳しくなる」とも指摘。多忙な際には雑誌のカラーページを流用することもあるものの、「読者に喜んでほしくて描きおろしてきたが、これもすべてタダ働き」と嘆き、今からでも報酬を支払ってほしいと訴えました。

この投稿を受け、森川氏はこれを引用し、「出版社がいう原稿料は雑誌に掲載される際のものであり、単行本表紙とは無関係」と解説。また、表紙やオマケページについては「作家の自発的なサービスで、描かないという選択肢もあるため、報酬が発生しない」と説明しました。

業界の「慣例」と作家の苦悩
森川氏の発言は、日本漫画家協会の常務理事という立場から、業界の慣例を擁護するものでしたが、この投稿には賛否両論の反響が寄せられました。中には、作家がどれだけ労力をかけて描きおろしているかに対する理解が不足しているという批判もあります。しかし、森川氏は「真っ白な表紙でも売れる漫画はある」とし、最終的には作家自身が何を選択するかが重要だと強調。他者が口出しする問題ではないと反論しました。

読者へのメッセージ
このような議論が浮上する背景には、作家の献身が当然視される業界の慣例が存在します。しかし、作家たちはその「当たり前」の中で、読者に少しでも喜んでもらいたいと創作を続けています。この問題に対するあなたの意見はどうでしょうか？表紙も物語の一部と感じるのであれば、ぜひ今後の単行本に注目してみてください。作家がどのような選択をしたのかが垣間見えるはずです。