山中瑶子監督、映画『ナミビアの砂漠』で見せる新境地—「信じていたものは全部捨てた」

 

 

 

 

 

19歳から20歳にかけて撮った○女作『あみこ』で鮮烈なデビューを果たし、今や日本映画界における新たな才能として注目される山中瑶子監督。2024年最ブレイク俳優の河合優実を主演に迎えた最新作『ナミビアの砂漠』が9月6日に公開されました。山中監督は「『あみこ』のときに信じていたものは全部捨てた」と語り、これまでの作風を一新した作品となっています。

『ナミビアの砂漠』というタイトルの由来
本作の主人公であるカナは、常に誰かに依存して生きる女性。山中監督は、脚本を書いている途中で「この人は1人でいるとき、何をしているのか？」と疑問を抱いたといいます。そのときに思い浮かんだのが、YouTubeで24時間生配信されているナミビア砂漠のライブ映像でした。無限に続く砂漠の風景は、孤独を象徴するようで、次第に作品全体のテーマと呼応する要素となり、最終的にタイトルにもなったといいます。

カナのキャラクターと河合優実の存在感
山中監督がカナというキャラクターに込めたのは、群れを離れた野生動物のような孤独感です。「いつも誰かと一緒にいる」という彼女の特性は、人間関係においても他者に依存する生き方を象徴しています。カナは1人になると「余計なことばかり考えてしまう」ため、その孤独に耐えられず、常に誰かを求め続ける存在なのです。

山中監督は「自分勝手で人を振り回すような主人公を、河合さんで見たかった」と述べ、河合優実がこの複雑な役柄にどのように挑んだのかにも注目が集まります。

映画『ナミビアの砂漠』は、山中瑶子監督が新たな一歩を踏み出した作品です。人間の孤独と依存、そしてそれらを象徴する広大な砂漠のイメージがどのように映画に反映されているのか、ぜひその目で確かめてみてください。