漫画「社外取締役 島耕作」が描く辺野古基地問題に物議—「抗議者の日当」表現が波紋

 

 

 

 

講談社が発行する漫画雑誌「モーニング」に連載中の人気作品「社外取締役 島耕作」の最新エピソードが、SNS上で大きな反響を呼んでいます。問題となったのは、沖縄の名護市辺野古で進行中の新基地建設に対する抗議活動を描いた場面。作品内で、抗議活動者が「日当をもらっている」とする描写があり、これが広く拡散され、批判を集めています。

特に、X（旧Twitter）では「根拠を示すべきだ」「事実無根のデマだ」といった意見が飛び交い、多くのユーザーがこの描写に対して疑問を呈しました。

現地活動家からの強い反発
沖縄で反基地運動を行う「沖縄平和運動センター」の山城博治さんは、これに対し「市民が日当をもらっているという事実はない」と強く否定し、作品が事実を歪めたとして抗議の意向を示しています。彼は「もし日当をもらっていたら、今ごろ豪邸が建っている」と皮肉を込めてコメントし、県民を侮辱する内容だと怒りを露わにしています。

著名なノンフィクション作家からも非難の声
ノンフィクションライターの安田浩一さんもこの描写に対して強い懸念を示しています。彼は、反対運動が「金で動いている」というデマは過去にも繰り返し広められ、それが誤りであることがたびたび確認されていると指摘。「影響力のある商業媒体でこのような誤った情報が広まることは、非常に悪質で市民運動に取り組む人々を冒涜する行為だ」と厳しく批判しています。

なぜこの描写が問題なのか？
このエピソードの中では、登場人物が「抗議活動者はアルバイトで参加している人が多く、自分も一日いくらの日当をもらっていた」という発言をしています。この表現が問題視されているのは、根拠がなく、実際の抗議者を不当に貶める内容であるためです。現時点で、講談社側の見解は発表されていませんが、琉球新報社は講談社に対して公式なコメントを求めています。

今回の騒動で考えるべきこと：
メディアや作品の影響力が持つ重み
デマや誤情報が与える社会的影響
現場で実際に活動している人々へのリスペクト
あなたも、作品やメディアの情報に触れる際、どこまでが事実なのかを考えてみてください。特に社会的な問題に関しては、慎重に情報を精査することが求められます。