深刻な人手不足、過去最多の倒産数を記録

 

 

 

 

今年上半期、人手不足を理由に倒産した企業が182社に達し、過去最多を更新したとの調査結果が発表されました。

この調査は、民間の信用調査会社である帝国データバンクによって行われました。今年1月から6月までの半年間に、人手不足が原因で倒産した企業は182社となり、前年同期と比べて72社の増加を示しています。この2年連続での過去最多更新は、労働市場の厳しさを如実に物語っています。

特に影響を受けたのは建設業と物流業です。建設業は53社、物流業は27社が倒産しており、これら2つの業種で全体の約4割を占めています。今年4月から導入された時間外労働の上限規制が、人材確保を困難にし、事業継続を断念せざるを得ないケースが増加しています。

さらに、倒産した企業の約8割が従業員10人未満の小規模企業であることが判明しました。小規模企業ほど人材確保が難しく、人手不足の影響を大きく受けていることが明らかです。

調査会社の見解によれば、「賃金引き上げを行う企業が増える中、働く側は賃上げをしない企業を選ばなくなる傾向が強まっています。今後も、小規模な事業者を中心に倒産が増加する可能性があります」とのことです。

注目点
今年上半期に人手不足を理由に倒産した企業は過去最多の182社
建設業と物流業が特に影響を受け、全体の約4割を占める
倒産企業の約8割は従業員10人未満の小規模企業
労働市場の厳しさが増す中、企業は賃金引き上げなどの対策を講じる必要があります。事業継続のためには、魅力的な労働環境を提供することが急務です。対策を怠ると、さらに倒産が増加するリスクがあるのです。企業経営者の皆様、今こそ行動を起こす時です。