「4℃」の業績不振の裏に隠された意外な客層とは！

※10/7(土) 12:03配信
現代ビジネス

匿名宝飾店の正体は４℃

　原宿から渋谷につながるキャットストリート。約1kmにわたってブランドショップ、古着屋、カフェ、フードスタンドなどが並ぶ流行の発信地に9月8日、運営主体を明かさないジュエリーショップがオープンした。

　営業は9月24日までの期間限定。その「匿名宝飾店」が9月20日に正体を明かした。1972年から続くブランド「4℃」だったのだ。

　4℃はその名を冠した4℃ホールディングス傘下のエフ・ディ・シィプロダクツグループが展開する。4℃といえば「19歳の誕生日にプレゼントされると、幸せな人生を送ることができるという伝説」(4℃ホールディングスホームページ)を聞いたことがあるかもしれない。若者から中高年まで幅広く知られているブランドと言っていいだろう。

　「ブランド」とは通常、その知名度によって顧客を訴求する。しかし、今回の匿名宝飾店において4℃が行ったのは、その逆。知名度を隠して店舗を社会に登場させた。そして、店舗の来訪者の感想と、それまでに抱いていた4℃へのギャップを用いて、4℃ブランドイメージの向上を狙ったものだ。

　一見すると、自虐的ともいえる戦術だが、現在のところ成功している。SNSやネットには4℃の当施策についての感想が溢れている。また、実際に4℃のイメージが変わった、と答える店舗来訪者が大半だったようだ。

　4℃はフリマアプリに大量出品されたり、なにかとネットでのネタにされたりと、商品の本質以外で話題になることが意外と少なくない。商品そのものの価値で逆襲したい同社にとっては快心のマーケティング手法だったといえるだろう。

不況にあえぐ4℃の決算状況

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